自費診療とは国民健康保険や健康保険など公的医療保険が適用されない、いわゆる診療報酬の点数などがつくことがない診療のことを自費診療と言います。この場合、診察、検査、治療などにかかる費用のすべては全額自己負担となります。このように経済的負担は高くなるわけですが、現在の医療保険制度では認められていない治療が受けられる、会社や家族に知られることがない(匿名で受診できる)といったメリットもあります。当院で行っている自費診療は次の通りです。
プラセンタ注射
プラセンタとは胎盤のことです。そもそも胎盤というのは胎児の成長を促す器官で、へその緒を通じて胎児とつながっています。なおプラセンタ注射のプラセンタとは、人のプラセンタより抽出したエキスのことで、この中にはヒアルロン酸、コラーゲン、たんぱく質、各種必須アミノ酸といった栄養素や成長因子が含まれています。このようなことから、内分泌や自律神経を調節する作用をはじめ、血行促進、肝臓の働きの強化、解毒、活性酸素の除去、抗炎症作用があるとされています。元々、肝臓疾患をはじめ、更年期障害や月経痛などの婦人科疾患、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などのアレルギー疾患の治療で使われていました(このような場合は保険適用となります)。
ただその後、活性酸素の除去作用、血行促進作用、抗炎症作用といったものが、シミの改善や予防に効果があること、プラセンタに含まれるコラーゲンやヒアルロン酸などが肌のハリや弾力性を維持させ、シワやたるみを修復させる効果があることが判明すると美容を目的とした治療として用いられるようになりました(この場合は自費診療になります)。施術方法に関しては、注射と点滴がありますが、当院では筋肉・皮下注射による施術となります。
このプラセンタ注射は、1回打つだけで、明らかな改善効果が見受けられるということは少なく、週に1~2回の間隔で打つなど、継続的に使用していくことで効果を実感できるようになります。ちなみに通院間隔というのは、お肌の状態を見ながらになりますので、人によって異なりますが、いずれにしても定期的に受ける必要があります。
副作用ですが、そもそも保険診療の治療としても用いられものでもあり、現時点で重篤な症状がみられたという報告はありません。またヒト由来の胎盤エキスということで感染症の不安があるという方もいるかもしれませんが、血液についてはプラセンタを製造する過程において取り除かれた状態ですので、注射薬に混ざることはありません。なお注射針による注入になるので、部位が赤く腫れる、痛みが出るということが数日程度みられることはあります。